PT TORINO ブランドクロニクル
~スラックスの常識を変えた革命児。~
旧き良きイタリアクラシコのテーパード・トラウザーズを意識しながらも、
細身にモディファイされた美しいヒップラインと脚長効果を備えた完璧なシルエット。
PT01からその名を変えた今も、創業時に抱いた情熱を忘れることなく、
「既存のパンツマーケットにない面白み」を追い求め続ける新時代の旗手の魅力を
最新のシリーズや特徴的なフィットの詳細解説とともにご紹介していきます。
ブランドの由来
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2008年の立ち上げに際し、Pantalone(パンツ専業ブランド)でTORINOを拠点にすることから「PT(ピーティー)」、さらに業界のオンリーワンを目指すという想いを込め「01(ゼロウーノ)」を付け、「PT01」と命名。2020年春夏からはより創業地トリノへの敬意を強く打ち出すため「PT TORINO」と改名した。
コンセプト
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クラシコなパンツを細身にモディファイしたスラックスが最大の魅力。美しいヒップラインと脚長効果のあるシルエットが熱狂的な支持を集めている。「既存のパンツマーケットにない面白み」を追求、世界観のあるテーマや細分化されたフィット、ドレスパンツに珍しい多彩な色展開などの独自戦略を展開している。
テクノロジー
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PT TORINOのスラックスは、高級なバージンウールやコットンをベースに、ポリエステルを混紡して適度な伸縮性を持たせた生地が基本。モデルやテーマごとにオリジナルの素材も多く採用されており、旅や出張のシーンを想定した「TRAVEL」シリーズなどで採用の「TECHNO WASHABLE WOOL」はその代表例。
コンセプトに基づく個性的な編成が人気
PT TORINO DENIM
股下から裾幅まで5ミリ単位で展開
シリーズやモデルとは別に、PTのパンツには緻密なシルエット分類も設定され、
それらは「○○ FIT(フィット)」という名称で表示される。
主に渡り幅と裾幅、股下の3つをそれぞれ5ミリ単位で刻みながら細分化。
ここでは最もベーシックな「SLIM FIT」を基準に、他のFITを比較しながら紹介。
SLIM FIT MOST BASIC MODEL
日本人の体型に最もフィット
スリムフィット。欧米人に比べ腰骨に厚みが少ない日本人向けに設計された背景から、PTのフィットの中では最もベーシックとされるモデル。腰周りに適度なフィット感があることで、股下やヒップ周りに生地がたまりにくいのも特徴。一般的なスラックスに比べ股上はやや浅めに設定されており、膝下から裾にかけては適度にテーパードがかった、イタリアントラウザーズらしい美脚シルエットを演出してくれる。
>商品はこちら他のFITと比べてみる
「SLIM FIT」を基準に、「渡り幅」と「裾幅」を同シリーズで比較した表がこちら。
シーズンやシリーズで変化するALTERNATIVE FITは除外している。
数値はすべて、MODERN BLUE独自で採寸したデータですのでご了承ください。
★表のアイコンをクリックすると、各FITの詳細をご覧いただけます。
2008
「PT01」誕生
イタリア・トリノのパンツ専業メーカーCOVER(コーベル)社の
マリオ・ステファノ・マラン氏が、自らディレクターとなりブランド「PT01」を立ち上げ。
COVER社は1968年にトリノの生地メーカーの4代目ピエランジェロ・ファッシーノ氏が
「究極のトラウザーズ作り」を標榜し設立した老舗で、会社拡大後はメンズ服全般の製造に
乗り出すものの、2000年代に入り再びパンツに専念。そんな中、インコテックスや
ボリオリ、ブルネロ・クチネリなどで経験を積んだマリオ氏が加入、
「既存のマーケットにない面白み」のあるトラウザーズづくりの物語が始まった。
2009
5ポケットライン「PT05」デビュー
「PT01」誕生の翌年、スラックスが持つ普遍的な美しさを5ポケットパンツ、
いわゆるデニムパンツなどに落とし込んだライン「PT05(ピーティーゼロチンクエ)」をスタート。
イタリアの人気デニムブランドとタッグを組むなど世界観を広げていき、その後も
レディースライン「PT01 Woman Pants」やバミューダパンツ「PT Bermuda」など、
数多くの派生ラインが生まれた(現在は終了)。ちなみに「PT05」は、2020年春夏の
「PT TORINO」移行にともない、「PT TORINO DENIM」に改名されている。
2013
PT JAPAN設立
「PT」ブランドを日本にいち早く紹介し、マリオ氏との親交も深かった輸入商社
トレメッツォの代表・小林裕氏が代表を務めるかたちで「PT JAPAN」が設立される。
同年春夏には、PTがデザイナーに匿名性をもたせた「PT GHOST PROJECT」を発表。
これはマリオ氏と小林氏が「現在トレンドのパンツをPTが作ったらどうなるか?」という
遊び心から始まったプロジェクトと言われ、のちにレギュラー化した(現在は終了)。
2016
ドメニコ・ジャンフラーテ氏就任
2016年秋冬より、新たなにドメニコ・ジャンフラーテ氏をアートディレクターに招聘。
元セリエAのプロサッカー選手であり、イタリアを代表するファッショニスタとしても
人気を博していた氏の就任により、PTの世界観はさらに広がりを見せていくことになる。
2017
「KULT(現・ACTIVE)」シリーズ開始
イタリア人工業デザイナーのファブリツィオ・ジウジアーロ氏との共同開発を開始、
“KINETIC ULTIMATE TROUSER(究極に動きやすいトラウザーズ)”を目指すことから
その頭文字を取り「PT01 KULT」と名付けられた。正式なスタートは2018年春夏からで、
2020年春夏には「ACTIVE」と改称され、メインシリーズのひとつに昇格している。
また、前年就任したドメニコ氏の肝煎りによる新フィット「GENTLEMAN FIT」がデビューした。
2020
「PT TORINO」に改名
「創業地であるトリノにさらなる敬意を」という想いから、ブランド名を「PT TORINO」に改名。
それに伴っていくつかの人気シリーズも再編成され、ブランドとして新たなスタートを切った。
ハンガーや紙タグなどのデザインも一新され、特にハンガーは金具部分がゴールドに、木製部分が
ブラックに仕様変更され、より高級感のある佇まいとなっている。
2022
トータルコレクションに進化
2022年春夏より、PTブランドとしては初となるトップスの展開がスタート。
それに伴っていくつかの人気シリーズも再編成され、ブランドとして新たなスタートを切った。
トラウザーズで培ってきた世界観をベースに、ミニマルなデザインと着心地の良さを追求した
プルオーバーやシャツなど、PTのスラックスシルエットとの相性も抜群なラインナップが揃う。
トータルブランドとして新たな船出となった「PT TORINO」の今後からますます目が離せない。