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紳士靴のプレステージ「ジョンロブ」

2018年2月18日 更新

英国屈指のブランドシューズとして君臨する名門「ジョンロブ」。ブランド名の枕詞に「高級な」「ラグジュアリーな」「究極の」といった賛辞が選ばれることからも、そのクオリティの高さは容易にうかがい知れるが、一方でブランドのファンやファッション通以外の方(かた)には「高い靴」というだけの偏った認識が強いのが残念。靴専門誌やメンズファッション専門雑誌を見ない人にとっては、ジョンロブの尊い実態を知る機会がなければ、まぁ仕方がないのかもしれない。

高級な靴はその価格も分相応であって当然。ジョンロブの靴を一生モノと考えるとき、それは決して無理な金額ではなく、むしろ手頃ではないかと感じる人が多い。ジョンロブの靴は、すべて専属の職人によって、190もの工程が必要になる膨大な作業と完璧な美意識の下(もと)に創られている。つまり、職人ひとりひとりによって丹精込めて創られる手間暇の実態を知ると、その付加価値には分不相応な金額で、むしろ良心的ではないかと感じるのだ。

そしてジョンロブには創業から現在にいたるまで150年以上の歴史の重みがある。例えば、ダブルモンクを採用したシューズ「ウィリアム」は、現在におけるダブルモンクシューズの完成形と謳われる名品である。かの英国王エドワード8世をもよろこばせたという逸話が残るほどで、ジョンロブのコレクションの中でも象徴的なモデルであり、語り継がれるべき英国史の一部になっているのだ。
これだけでも凄さは充分に伝わるかもしれないが、さらに変遷や名品と名高い有名モデルを紐解き、なぜ2019年になった現在でもその価値が羨望の対象となるのかを探っていければと思う。

鉱夫用ブーツから高級靴へ

ジョンロブ氏が生まれたのは1829年。青年期にロンドンで靴作りの修行を終えたのち、ゴールドラッシュに沸くオーストラリアにわたり、鉱夫用のブーツ作りで成功をおさめた。ほどなくして氏は英国へ帰国。1862年には万国博覧会で金賞を獲得し、さらにその翌年には英国皇太子の公認靴職人に任命されるなど、靴職人としてのキャリアは華々しく受け入れられていった。

1号店はリージェント・ストリート

満を持して自身初となるショップ1号店をオープンさせたのは1866年のこと。場所はファッショナブルな店が軒を連ねるセントラル・ロンドンのリージェント・ストリート。富裕層向けの高級ビスポーク専門店ということもあり、政財界のエリートから王室まで多くの顧客を持ち、高級靴の代名詞的として大成功をおさめていった。

エルメス傘下で花開いた“パリ・ロブ”時代

氏の息子であるウィリアムの代になると「ジョンロブ」はパリに進出。1976年にエルメス傘下に入り、82年にはオーダー靴に加え、既成靴の取り扱いを開始。エルメス経由で入る最高級のレザーをつかうことで、靴のクオリティは別次元へと開花。このことを機にブランドは一気に世界規模に事業を拡大し、「高級既成靴の最高級ブランド」として飛躍を遂げてみせた。

190の工程を要する究極の靴づくり

ジョンロブの既成靴は94年に設置されたノーザンプトンの工場で作られている。ビスポーク靴の工程が100あったのに対し、これを元に既成靴では190もの膨大な工程がかけられているという。

品質の秘密

  • コバ

    コバを薄く削ることで靴全体のバランスが見事な美しさと華やかさが生まれている。

  • 一枚革(ヒール)

    ヒールは切り替えのないシームレス仕上げ。上質な部分だけの一枚革を使う必要があるため、通常の革素材よりもさらにレベルの高いクオリティが求められる。

  • 目付け

    いくつかのモデルに、ビスポーク由来を感じさせる凹凸目付けがみられるのもジョンロブ靴の大きな特徴のひとつ。

  • MUSEUM MEDIUM WEIGHT

  • OXFORD CALF

  • CALF MEDIUM

エルメス傘下の恩恵をうけ、メゾン経由でさまざまな種類のトップランクの革素材が使われている。色づけでは再現できないムラをつけた「ミュージアム ミディアム ウェイト」をはじめ、「オックスフォード カーフ」「カーフ ミディアム ウェイト」などが代表例。

モデル紹介

  • CHAPEL チャペル

    8000ラストのエレガントなフォルムと、セミスクエアトゥを採用したダブルバックルシューズ。
    ジョンロブ専属の職人だけが成し得る一枚革による逸品。トゥからシームレスヒールまで、緩やかに流れるようなフォルムに沿って、アクセサリーのように添えられた、ふたつのパラジウムバックルが平行に施されています。

    - ラスト8000
    - ワイズE
    - ホールカット
    - パラジウム仕上げのバックル
    - 手で丁寧に削り込まれたヴェヴェルドウェストのプレステージレザーソール
    - 完璧なピッチで美しく刻まれた目付け
    - グッドイヤーウェルテッド製法

  • PHILIP II フィリップ II

    完璧なプロポーションを持つ、クラシックなオックスフォードスタイル。小振りのパーフォレーションが施されたフロントフェイスと、キャップトゥが繊細かつエレガントな印象になったモデルです。
    ヴァンプとホールカットクォーターの流麗な切り替えにみられる美しい造形は、靴作りを知り尽くしたジョンロブ専属の職人ならではの高い技術とディテイルへのこだわりを感じさせます。

    - ラスト7000
    - ワイズE
    - 細かく繊細なパーフォレーション
    - ホールカットクオーター
    - シームレスバック
    - 手で丁寧に削り込まれたヴェヴェルドウェストのプレステージレザーソール
    - 完璧なピッチで美しく刻まれた目付け
    - グッドイヤーウェルテッド製法

  • CITY II シティ II

    「シティ II」は時代を超えた普遍的なデザインと、完璧なバランスのプロポーションが広い世代の方から支持されているジョンロブの定番モデル。
    シンプルで洗練されたスタイル全体に、美しくツインステッチが施されています。

    - ラスト7000
    - ワイズE
    - 伝統的なシングルレザーソール
    - フルライニング
    - 完璧なピッチで美しく刻まれた目付け
    - グッドイヤーウェルテッド製法

  • WILLIAM ウィリアム

    英国王エドワード8世のために考案され、のちのレディメイドの先駆けとしてスタンダードモデルとなったジョンロブのアイコンシューズであり、ダブルモンクストラップシューズの完成形ともいえる1足。
    耐久性に富み、機能性と洗練されたスタイルを兼ね備えたデザインです。

    - ラスト9795
    - ワイズE
    - パラジアム仕上げのバックル
    - フルライニング
    - 伝統的なシングルレザーソール
    - 完璧なピッチで美しく刻まれた目付け
    - グッドイヤーウェルテッド製法

ケアグッズ

ジョンロブの靴を長きにわたって愛で続けるためのメンテナンスグッズ。
紳士たるもの靴に汚れがついているのはNGだということは当然であるが、
ジョンロブの場合は靴を育てるという意味合いも強い。
最高の靴は長時間かけて作られる。
つまり、靴への愛着が必要なのである。

有名ホテルでの
出張シューシャインサービスも提供

ケアグッズは常に携帯しておかなければならないかというと、そうではない。ジョンロブでは、顧客の要望に応えるかたちで、世界の厳選された一流ホテルとパートナーシップを結んで、シューシャインの特別なサービスもおこなっている。ジョンロブのシューシャイン・サービスの技術を完璧に学んだ専属のバトラーが就き、ジョンロブのクリームやワックスを使って鏡のように磨いてくれる。プロの手が加わることで見違えるように蘇生した靴をみると、それまで以上に愛着が湧くに違いない。